大本営参謀の情報戦記 堀 栄三 感想

投稿者: | 2018年1月29日

大本営参謀の情報戦記 堀 栄三を読んだ

日本軍の情報参謀だった堀栄三さんの大本営参謀の情報戦記という本を読んでみた。副題は情報なき国家の悲劇。

堀さんが陸軍の情報将校として大本営情報部やフィリピンの山下方面軍等でいかに経験を積んでいったか、そして大戦に入る中で、日本軍の情報戦力がどれほどのもので、それがアメリカとどの程度の差があって、戦争にどのように影響したか、また、戦後はどうなったのか?

そういったことが生々しく書いてあって興味深かった。

特に印象に残ったのは以下のような部分

・太平洋で、制空権を完全に奪われたことに端的に現れている指導層の戦略の失敗で多大な人命が失われた事実

・台湾沖航空戦を“大戦果”があったとしたが、誰も裏どりがほとんどなされていなかったという状況が書かれた部分。(以前読んだ失敗の本質等もそうだったと思うのだが、)自軍に都合の良い話ばかりを取り上げて、客観的な情報分析がなおざりにされていたこと

・米国本土での強制収用により、米国本土の情報がほとんど入ってこなくなったことが、日本が情報戦で負ける決定的な原因となったこと

等々。

個人的には、日本軍の敗北は、日露戦争や日中戦争での成功体験を引きずり、新しい戦争に十分な対応を取るような心性を持つことができなかったことが大きかったのだなと感じた。

また、とかく日本では嫌がられがちであるとは思うが、情報をしっかりと取り、吟味し、論理的に判断することの大切さということについて、改めて深く考えさせられる本だった。

まあ、日本ではとかく嫌がられがちという部分は、個人としてどう処していくのがいいのか、頭の痛いところだけど。

先の大戦の負け方がいかなるものであったのか、戦後自衛隊統幕情報室長を務めた筆者が後世に残した、情報戦略の大切さを説いた本。

学ぶことの多い一冊だと思う。

本日の1文

P143

海軍の大艦巨砲主義、陸軍の歩兵主兵主義は、どちらがどちらを非難すべきものでもない。陸軍も海軍も日露戦争時代で足踏みしていた全時代的軍事思想の持主であった。

日本人、いや日本大本営作戦当事者たちの観念的思考は、数字に立脚した米軍の科学的思想の前に、戦う前から敗れていた。

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