マネーボールは大リーグを舞台にデータ分析の価値を教えてくれる本

投稿者: | 2013年10月19日

今日はビジネス書のご紹介。世間では、クライマックスシリーズ真っ盛りの今日この頃だが、現在仕事関連でデータ分析ということを深く考える動機が生まれていることと、元々野球というスポーツに学生時代嗜み、大好きであることもあり、このマネーボールという本を非常に興味深く読んだ。



テーマとしては、資金力に乏しい弱小の大リーグ球団であるオークランド・アスレチックスが、どうしてプレーオフに何回も進出するような好成績を上げることができたのか、その秘密を解き明かす、というもの。


物語を非常に面白く味付けしてくれているのは、ビリー・ビーンという元大リーガーの異色のゼネラルマネージャーの存在。


彼は高校時代から将来を嘱望され、大リーグでの活躍が当然視されるような存在だったが、結局は華々しい活躍もできず、鳴かず飛ばずで引退を余儀無くされた。

そのトラウマを持ちながら、球団の裏方に回るが、そのトラウマが彼を優秀なゼネラルマネージャーにさせるきっかけになった。そんなある意味皮肉な内容も含まれている。

ビリー・ビーン自身は野球界の古い体質の中で(従来の野球界の既成概念の枠の中で)、逸材として見出され、大リーガーになったが、皮肉にもその彼を評価した既成概念には、彼が大リーガーとして大成できなかったのが一例でもあるように、不合理で非科学的な部分が多々ある。それは、野球界というムラ社会の長い伝統の中で、慣習として根付いたものだ。

そして、球団経営をいかにうまく進めていくかを考える中で、ビリー・ビーンをはじめとしたアスレチックスの人々が出会ったのが、データ分析というものだった。

初めは野球界に詳しく無いゼネラルマネージャーが野球を合理的に理解するために取り入れたものだったが、野球界の中にいたビリー自身もその虜になるようになった。アスレチックスは従来の野球界の古い体質に囚われず、データ分析の手法で様々な施策をうち、他の金満球団と対等に、もしくはそれ以上の勝利数を稼ぐことができるようになった。

打者であれば、それまで打率やホームランを重視する施策から、とにかく出塁率を重視していく、とか、守備力にはある程度目をつむっても、勝利数にはあまり関係しない、とかそういったところから、新しい球団文化を形作ることに成功した。

今までとは異なる評価基準を設けることで、今まで野球選手として不適合とされてきたような選手をリーズナブルな価格で雇って活躍の場を与え、勝利を上げることができた(蛇足だが、ここら辺の記述を読んでいて往年の野村ID野球とかが比較対象として浮かんできた。それぞれ時期的にもかなり近い関係にあったのでは?と思うが、どうだろうか。)。

この本は、ビリー・ビーンを中心にそんな話が書かれている。



読み取れるのは、野球界に関わらず、思い込みや悪しき慣習から不合理な事態が生じており、それを客観的な態度を持って、データ分析等を使って修正することで、少ない投資でより高い生産性を上げることが可能になる、ということだと理解した。今データ分析が流行っているが、その有効性を考える上で、良い事例を提供してくれているストーリーだと思われる。

もちろん、上記のような示唆的な部分を抜きにしても、大リーグの野球を語った書物として、読み物として十分に楽しむことができた。これを読んだことで、大リーグを見るのがさらに楽しそうだし、野球の見方も変わるかも、と感じているのだが、実際どうだろうか。。。


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